“まじわる・うみだす・ひらく”をコンセプトに、オープンイノベーションによる価値の創出、幅広い層に向けたデザインやアートのプログラムの提供、学生作品の展示・発信を通してデザインとアートの持つ創造性と美意識を社会とつなぐ場を提供します。
SDGsに代表される地球規模や地域での課題、グローバリゼーション、デジタライゼーション、さらには新型コロナウイルス感染拡大など、我々はますます先行きの見えない不透明な立場に置かれています。2020年に発表された「成長戦略実行計画」においても社会人の創造性の育成の強化方針が謳われるなど創造性を磨き直しステップアップするためのリカレント教育や海外・国内の美術系大学との連携による教育手法を反映した社会人教育の重要性が高まっています。
日本のデザインの中核を担うデザインハブ(日本デザイン振興会、日本グラフィックデザイン協会)との連携や、デザインやアートの発信拠点でもある東京ミッドタウンおよび近隣のデザイン、アート施設とのコラボレーションなど都心にある複合施設である利を活かして、今まで本学と接点のなかった企業や団体とのつながりを通じて新しい価値の創出を図ります。
大学生や大学院生に限定せず、子どもから社会人まで幅広い層に向けての教育を通じたデザインやアートの社会実装を行なっていきます。
美術大学の中で生み出された成果は、卒業制作展や有志によるグループ展、また学内での展示など限定的な場所でしか接することができませんでした。TUBという恒常的な拠点を活用して学生たちが何を感じ、何を生み出そうとしているのかを積極的に発信していきます。また、国内外の美術大学を中心に連携しながらデザインやアート、そして教育のこれからを議論していく場としても機能させていきます。
TUBという愛称は英語で入浴やバスタブを意味しており、デザインやアートの力で日常とは違った心地よさや刺激に浸るための場所になりたいという意味を込めています。ロゴデザインは、バスタブを模したUをポイントとし、全体に柔らかな曲線を用いることで、肩肘張らずにいつでも気軽に訪れてもらえる場所になることを意図しています。
企画展、ワークショップ、レクチャー、研究会や会議など多様な活動を展開する場として、空間デザインは深澤直人(多摩美術大学 統合デザイン学科 教授)が手がけました。
「八王子と上野毛の他に都心に新しい拠点を構えるということはアートとデザイン、サイエンスとテクノロジー、そしてビジネスが統合された時代の要求に応える意義深いことです。アートやデザインなどの学生の作品を展示する、社会人や学生などに向けたワークショップやレクチャーを開催する。クリエイティブが集い、創発が生まれる多様な場としてデザインしています」