講義アイコン深澤 直人

統合デザイン

日常に溶け込むデザインとは?

深澤 直人 FUKASAWA Naoto

多摩美術大学統合デザイン学科教授、日本民藝館館長、プロダクトデザイナー。1956年山梨県生まれ。セイコーエプソン、ID Two (現IDEOサンフランシスコ)、IDEO東京オフィス立ち上げを経て、2003年にNAOTO FUKASAWA DESIGNを設立。人の想いを可視化する静かで力のあるデザインに定評があり、国際的な企業のデザインを多数手がける。日用品や電子精密機器からモビリティ、家具、インテリア、建築に至るまで手がけるデザインの領域は幅広く多岐に渡る。デザインのみならず、その思想や表現などには国や領域を超えて高い評価を得ている。英国王室芸術協会の称号を授与されるなど受賞歴多数。2018年、「イサム・ノグチ賞」を受賞。

SUMMARY

統合されるべき自然と人間とアートの分断が、今地球にとっての最大の危機であるという自覚を出発点とする。生活や五感はもともと分かち難いもので、雰囲気が良いことは瞬時に感得できるが、それを提供するのは難しい。それを生み出せる人の教育のために「統合デザイン」という概念を打ち立てた。まず生活の中で無意識下の違和感に気付き、さらされた選択の岐路で「美しい考え」を選ぶ。さらに気付いたものを受け止め、発酵させ、具体化、定着させるプロセスがデザイン。また創造は、集合的無意識や、典型=アーキタイプのように人が共通してもつ感覚を目指さなくてはならず、アフォーダンスのような概念を手掛かりに、環境によって決まるひとつの正解を導いていく必要がある。

SCREEN LAB.

オンラインホワイトボードアプリのmiroを使ったSCREEN LAB.をオープンさせました。こちらは放課後も続く議論の場のようなものです。講義で示されたテーマ、問い、関連領域について気楽に意見交換することで、考察を深め、TDU学生のみなさんとともに新たな研究領域を切り開くことを期待しています。随時更新されますので、何度でもお立ち寄りください。